記者発

自転車事故、リスク共有で防げ 大阪社会部・清宮真一

土曜日の晴れた日は3歳の長男と散歩に出かけることが多い。大阪市内では車の往来に目配りするのはもちろんだが、ほかにも注意すべき存在がある。自転車だ。

自転車は道路交通法で「軽車両」と定められ、車道と歩道が区別されていれば車道通行が原則。ただし「歩道通行可」の標識がある場所などは歩道を走ることができる。長男は3歳ゆえの自由奔放さで周囲の状況など構わず、あっちへ行ったりこっちへ行ったり。後方から自転車が走ってきて、ヒヤリとしたことは一度や二度ではない。

大阪府警によると、昨年の交通事故のうち、自転車関連事故の割合(構成率)は全国平均の22・8%に対し、大阪は35・0%と都道府県別でワースト2位。昨年の府内の自転車関連事故件数は平成28年と比べて23・5%減少したが、構成率は増加傾向にある。

各都道府県警は、自転車事故の多発エリアなどを「指導啓発重点地区・路線」として選定している。警察庁の指示を受け、今月末までにそれぞれのホームページ(HP)で公表して周知。交通切符も活用した集中取り締まりで自転車の交通違反に歯止めをかける狙いもあるという。

重点地区は全国の警察署が自転車の通行量や事故の発生状況、地域住民の要望などを踏まえて決める。私自身、最近まで重点地区の存在すら知らなかったことを考えれば、住民への周知は必要だ。ただ当然ながら、ほかのエリアにも危険は潜んでいるわけで、重点地区の啓発をもって十分とはいえないだろう。

4月には大阪府東大阪市の国道で母子3人が乗った電動自転車が転倒し、投げ出された男児=当時(3)=がトラックにはねられ、死亡する事故が起きた。結果論だが、幅員約2・5メートルのこの現場は重点地区・路線に選定されていない。府警の担当者は「情勢の変化に合わせて重点地区などの見直しを行う」と話す。

事故の防止には重点地区かどうかにかかわらず、リスクが懸念される地元の道路情報を官民で共有することが欠かせない。今の時代、交流サイト(SNS)を活用した枠組みもあってしかるべきだろう。痛ましい事故の後「以前から危険性が指摘されていた」といった報道を目にするのは、もうたくさんだ。

【プロフィル】清宮真一

平成14年入社。令和の改元時に政治部で首相官邸を担当し、2年2月から大阪社会部で大阪府庁キャップを務めた。今月から行政担当デスク。

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