浪速風

43歳だった

山岳カメラマンの平賀淳さんが、米デナリで亡くなった。ハンター峰での撮影中、ベースキャンプに戻る際にクレバスに落ちたという。顔写真を見てもしやと思い調べてみると、2008年春にエベレスト街道でお会いしていた。まだ43歳、「これから」という若さだった

▶探検家の角幡唯介さんは、この年齢で多くの登山家や冒険家が亡くなっているとして「43歳の落とし穴」と名づけ、自身を戒めてきたという。確かに、冒険家の植村直己に登山家の長谷川恒男、写真家の星野道夫。いずれも、冒険や登山中に43歳の命を落としている

▶なぜか。角幡さんは、体力が低下する一方で経験値は上がっており、「過去最高の構想」を思いついて「今しかない」と無理な行動に出てしまう年齢だからではないか、とする。南極大陸犬ぞり横断が最終目標だったはずの植村直己があえて冬のマッキンリーへ向かったのも、「今しかない」と駆られたのだろうか。

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