露、北極圏で極超音速ミサイル実験 北欧2国のNATO加盟牽制か

バレンツ海で行われた極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」の発射実験=28日(ロシア国防省提供・タス=共同)
バレンツ海で行われた極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」の発射実験=28日(ロシア国防省提供・タス=共同)

ロシア国防省は28日、北方艦隊所属のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」が北極圏のバレンツ海から極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」の発射実験を行い、約千キロ離れた白海上の標的に命中させたと発表した。インタファクス通信が伝えた。

白海は北大西洋条約機構(NATO)加盟を正式に申請した北欧フィンランドとスウェーデンに近く、両国への牽制(けんせい)とみられる。

ツィルコンはマッハ9(音速の9倍)の速度で千キロ以上先の標的を攻撃できるとされる。今年中の大量生産入りが見込まれている。

ロシアのプーチン大統領はロシアで「国境警備隊の日」に当たる同日にビデオ声明を発表。ウクライナ侵攻を受けた日米欧の制裁を念頭に「ロシアに対し前例のない政治、経済的圧力がかけられ、NATOは国境付近で軍事力を強化している」と述べ、国境警備強化の必要性を指摘した。(共同)

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