浪速風

人のふり見て、わがふり直せ

江戸時代中期の儒学者、室鳩巣(むろ・きゅうそう)に「人を治むるは、よろしく寛なるべし 己を治むるにいたっては、厳なるを貴ぶ」との名言がある。他人の行為には寛大な気持ちで接し、自身の行いは厳しく律すべきだ―との意味。とかく他人を批判する言動があふれる世の中だからこそ、心掛けたい言葉である

▶室鳩巣は徳川吉宗による享保の改革を補佐し、道徳観や学問観を門弟に語りかける形で著した随筆集『駿台雑話』で知られる。赤穂浪士の仇討(あだうち)を擁護する立場で書かれた『赤穂義人録』の著者でもある

▶新型コロナウイルス対策の政府指針「基本的対処方針」が改定され、屋外では周囲と2メートル以上離れていなくても、会話をほとんどしない場合はマスクを着ける必要がない―などの考え方が明記された。基準の設定は歓迎すべきだが、日常を取り戻していく上で大切なのは、室鳩巣の言葉を実践するマナーやエチケットではないか。「人のふり見て、わがふり直せ」ともいう。

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