北方領土・歯舞群島の貝殻島周辺でロシア側に入漁料を支払って行うコンブ漁に関する交渉が27日、日露間で始まったことが分かった。例年は4月ごろに交渉し、6月1日が漁の解禁日となっていたが、今年はロシアのウクライナ侵攻の影響で交渉開始がずれ込んでいた。漁期や採取量について協議が急ピッチで進められる見通し。
好漁場である貝殻島周辺で、旧ソ連に拿捕(だほ)されるコンブ漁の漁師が絶えなかったため、1963年から協定を結んだ上で操業を行っている。漁期は例年9月末まで。昨年の交渉は約9千万円を支払い、231隻が操業する内容で妥結した。
日露間の漁業交渉では、日本の排他的経済水域(EEZ)で操業するサケ・マス流し網漁に関する交渉が4月に妥結。例年より3週間ほど遅れた5月3日から漁が行われている。