麻生氏、菅氏と再接近の週2会食 党内力学に変化も

自民党の麻生太郎副総裁(松井英幸撮影)
自民党の麻生太郎副総裁(松井英幸撮影)

自民党の麻生太郎副総裁と菅義偉前首相が27日夜、東京都内の麻生氏の自宅で会食した。両氏は4日前の23日にも食事をともにしたばかりだ。菅政権末期から両者の間に溝があるとの見方が強かっただけに、急接近を印象付けた。両氏は党内最大勢力の安倍派(清和政策研究会)を率いる安倍晋三元首相とも良好な関係にあり、党内力学が変化する可能性もある。

関係者によると、27日の会合は昨年10月に退陣した菅氏を慰労するために開かれ、麻生氏の妻、千賀子さんと菅氏の妻、真理子さんも同席した。夫人同士は以前から親交があるという。麻生、菅両氏は23日には都内の日本料理店で経済界関係者を交えて会食しており、1週間で2回も会食したことになる。

第2次安倍政権以降、麻生、菅両氏はそれぞれ副総理兼財務相と官房長官として憲政史上最長政権の要として並び立ったが、現政権での立場は大きく異なる。

麻生氏は副総裁として政権中枢にある一方、菅氏は昨年の党総裁選で河野太郎広報本部長を支持したことから「非主流派」に位置付けられている。両氏が定期的に会食する機会も減少。今年2月に麻生派から4人が離脱し、菅氏を囲む勉強会に加わる動きを見せたことで、両者の関係は冷え込んだとみられていた。

だが、最近になって菅氏が周囲に「自分が1年間首相を務められたのは麻生氏が立ててくれたおかげだ」と語り、側近議員を経由して麻生氏の耳に入った。麻生氏側が警戒した勉強会開催について、菅氏が党内の混乱を避けるために参院選後と明言したことも、雪解けにつながったようだ。

麻生派(志公会)の中堅議員は「安倍政権では安倍、麻生、菅の3氏のトライアングルでしっかりとした外交を展開してきた。台湾有事への備えなど、国難ともいえる時期にこの関係が復活する意義は大きい」と語る。

一方で党関係者は「菅氏が秋波を送ったのは、いつまでも非主流派ではいられないという思いからではないか」と読み解いた。首相や茂木敏充幹事長と良好な関係にある麻生氏にとっても、菅氏との和解は党内での影響力拡大につながる。

ただ、岸田政権を「ど真ん中で支える」という麻生氏と、「将来的に河野氏を首相にしたい」という菅氏のスタンスには違いがある。参院選の結果次第では、党運営などをめぐり両者の齟齬(そご)が再び露見することもありそうだ。(大島悠亮、今仲信博)

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