藤井聡太棋聖、8冠ロードへ弾みつくか ヒューリック杯棋聖戦6月3日開幕

将棋界の勢力図が昨年度、大きく変化した。最年少2冠だった藤井聡太棋聖(19)=王位=が3つのタイトルを立て続けに奪取して一気に5冠を達成。「藤井1強」時代は着々と近づいている。

藤井棋聖は昨年度、第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負を制し、最年少で初防衛・九段昇段の偉業を果たした。当時、将棋界は藤井棋聖のほか、王将でもあった渡辺明二冠(38)、永瀬拓矢王座(29)、竜王と叡王を保持していた豊島将之九段(32)の4人が八大タイトルを分け合う「4強」とされた。

王位戦初防衛にも成功した藤井棋聖は叡王戦で豊島九段に挑戦。フルセットの熱戦を制した藤井棋聖が3つ目のタイトルを獲得した。圧巻は、続けて挑戦した竜王戦と王将戦だった。いずれも4連勝のストレートで決着をつけ、19歳6カ月で5冠を達成。羽生善治九段(51)の22歳10カ月を大きく更新する最年少記録だった。叡王と竜王を奪われた豊島九段は無冠となり、タイトル保持者は藤井棋聖と渡辺二冠、永瀬王座の3人となった。

藤井棋聖は現在、出場したタイトル戦は負け知らずで、8冠独占も視野に入ってきた。残るタイトルは名人、王座、棋王の3つ。名人を目指す順位戦は最上位のA級に在籍し、来年優勝すれば名人に挑戦できる。挑戦者決定トーナメントから登場する棋王も今年度、挑戦の可能性がある。

しかし、6つ目のタイトルを目指した王座は今月、挑戦者決定トーナメント1回戦で同期の〝藤井キラー〟、大橋貴洸(たかひろ)六段(29)に敗退。大橋六段にはこれで4連敗となった。

藤井棋聖が今年度内に同時に保持できるタイトルは最大で6冠。期待が膨らむ藤井棋聖の夢の全冠制覇は来年秋以降に持ち越しとなった。しかし、その道のりは険しい。タイトル奪取はもちろん、保持するタイトルも防衛し続けなければならないからだ。

今後を占う意味でも、永瀬王座との初のタイトル戦となる今期の棋聖戦五番勝負が鍵を握りそうだ。(田中夕介)

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