日本政府がフィリピン沿岸警備隊に供与する大型多目的船の出港式が27日、山口県の下関港で開かれた。供与は2隻目で、全長97メートル、2260トン。最新のレーダーなどを装備し、同国沿岸警備隊が運航、管理する最大級の船舶となる。同型の1隻目と共に南シナ海に配備され、領海警備や救助活動に当たる。海洋進出を強める中国をけん制する狙いがある。
式には沿岸警備隊の幹部らが出席した。フィリピン運輸省の高官は「災害対応や人道援助など沿岸警備隊の対処能力が大幅に向上する。フィリピンの発展への貢献に感謝する」と述べた。
大型船は31日にもフィリピンに到着する予定。日本政府は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、フィリピンとの連携を強化する方針だ。