シネマプレビュー

「トップガン マーヴェリック」ほか3本

「トップガン マーヴェリック」ⓒ2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
「トップガン マーヴェリック」ⓒ2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

公開中の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。

「トップガン マーヴェリック」

まさに超音速機のような米映画。高揚感に包まれて一気に見終わった。1980年代を代表する大ヒット作「トップガン」(86年)の36年ぶりの続編だ。この間、主演のトム・クルーズは、戦闘機に実際に乗った俳優の演技を撮影できる技術が登場するのを待っていたという。

米海軍の精鋭パイロットらの青春アクション群像劇だった前作だが、主人公、マーヴェリックの身の上にも長い時間が流れた。昇進もせず、上層部に疎(うと)まれている。しかし、ある作戦遂行の現場に呼び戻される。

いかにも続編らしい設定だが、マーヴェリックは少しも枯れていない。ロック音楽、青春、恋、夕日、カワサキのバイク、ポルシェ、白いTシャツ、ブルージーンズ…。80年代と変わらぬ熱気をこれでもかと放ち、躍動感をみなぎらせながら、映画は山場の空中アクションへと突入する。

物語は前作と巧みにリンク。だが、これが初見でも十分楽しめる。監督はジョセフ・コシンスキー。ヴァル・キルマー、ジェニファー・コネリーらが共演。

27日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。2時間11分。(健)


「帰らない日曜日」

第一次大戦の痕が色濃く残る1924年、英国の上流社会を舞台に身分違いの恋を描いた。孤児院育ちのメイド、ジェーン(オデッサ・ヤング)は近隣に住む名家の跡継ぎ、ポール(ジョシュ・オコナー)と秘密の関係を続けていた。後に小説家になったジェーンは、あの日曜日の出来事を振り返る。

映画「帰らない日曜日」(C) CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS SUNDAY LIMITED 2021 All rights reserved.
映画「帰らない日曜日」(C) CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS SUNDAY LIMITED 2021 All rights reserved.

ノーベル賞作家、カズオ・イシグロが絶賛した小説を映画化。美しい英国の田園風景とともに20世紀前半の激動の時代も巧みに映し出した。本作はカンヌ国際映画祭など数多くの映画祭に正式出品された。監督はエヴァ・ユッソン。

27日から東京・新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマなどで全国順次公開。1時間44分。(啓)


「犬王」(いぬおう)

異色のアニメーション映画。室町時代が舞台のロックミュージカルだ。主人公は、異形(いぎょう)の能楽師、犬王(声・アヴちゃん)と琵琶(びわ)法師の友魚=ともな(同・森山未來=みらい)。独自の平曲で人気を博すが、やがて将軍、足利義満に危険視される。犬王と友魚は、まるでロックバンドのボーカリストとギタリスト。劇中で2人が披露する平曲もロック風だ。

「犬王」©2021 “INU-OH” Film Partners
「犬王」©2021 “INU-OH” Film Partners

監督は湯浅政明。野木亜紀子(脚本)、大友良英(音楽)、松本大洋(キャラクター原案)と才人が顔をそろえた。野心的で斬新なアニメ。ビートをきかせているとはいえ、平曲の場面がやや長く感じられるかもしれない。原作は古川日出男の小説。

28日から東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7などで全国公開。1時間38分。(健)


「20歳(はたち)のソウル」

実話に基づいた小説の映画化。主人公は、千葉県船橋市立船橋高校吹奏楽部の浅野大義(神尾楓珠=かみお・ふうじゅ)。3年生で同校の応援曲「市船(いちふな)soul」を作曲し、卒業後は教員を目指すが、がんのため20歳で亡くなる。

前半は部活動を中心に青春の日々を、後半は家族や恋人に支えられ病気と闘う姿を描く。つらく悲しく、難しい役だが、神尾、恋人役の福本莉子が好演。そして、吹奏楽部顧問役の佐藤浩市の熱演が印象深い。

「20歳のソウル」©2022「20歳のソウル」製作委員会
「20歳のソウル」©2022「20歳のソウル」製作委員会

監督は、ドラマの演出を手掛けてきた秋山純。前半は、挿話(そうわ)を盛り込み過ぎている印象も。尾野真千子、高橋克典、石黒賢らが共演。

27日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。2時間17分。(健)

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