第61回大阪「正論」懇話会が20日、大阪市北区のホテル阪急インターナショナルで開かれ、産業遺産情報センター長の加藤康子(こうこ)氏が「日本の産業の未来と歴史戦」と題して講演した。講演要旨は次の通り。
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2015年に長崎市の端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。
経済大国の礎がどのように築かれたのか。23の構成資産は、幕末から明治にかけて、鎖国をしていた日本が艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えながら驚異的なスピードで製鉄所や炭鉱、造船所を作った道のりを伝えている。世界史の中でも特筆すべき出来事だ。