G7、電力部門の大部分の2035年脱炭素化で合意

G7気候・エネルギー・環境相会合後の記者会見。(左端から)細田健一経済産業副大臣、大岡敏孝環境副大臣=27日、ベルリン(DPA提供・AP=共同)
G7気候・エネルギー・環境相会合後の記者会見。(左端から)細田健一経済産業副大臣、大岡敏孝環境副大臣=27日、ベルリン(DPA提供・AP=共同)

ドイツのベルリンで開かれている先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合は27日、2035年までに電力部門の大部分を脱炭素化する目標などを盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。二酸化炭素(CO2)の排出が多い石炭火力発電について、議長国ドイツが提案していた「2030年までに段階的廃止」は、共同声明には盛り込まれず「段階的廃止に向けた取り組みを加速する」との表現にとどめた。

石炭火力をめぐっては、他の欧州各国やカナダがドイツの方針に賛同姿勢をみせ、米国は「30年代」とするよう求めていた。ただ、資源が乏しい日本としてはいずれも簡単にはのめない提案で、協議の行方に注目が集まっていた。

昨年10月に取りまとめたエネルギー基本計画でも石炭は「安定供給性や経済性に優れた重要なエネルギー源」とし、30年度の電源構成に占める石炭火力の比率は19%としている。資源の乏しい日本はアンモニアを石炭に混ぜ、燃焼時にCO2を出さない新たな手法の確立を目指していることなどをアピール。共同声明にも同技術について盛り込まれた。

ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇については、食い止めるため効果的な対策の検討が必要とした。また、液化天然ガス(LNG)のロシア依存低下は緊急性の高い課題だと指摘する一方、そのためには供給量を増加させる重要性も指摘した。日本からは大岡敏孝環境副大臣と細田健一経済産業副大臣が出席した。

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