政府、11年ぶり電力使用制限検討 今冬に逼迫見通し

経済産業省=東京都千代田区
経済産業省=東京都千代田区

経済産業省は27日、電力需給の逼迫(ひっぱく)が見込まれる今冬に大規模停電の恐れが高まった場合、大企業などを対象に「電力使用制限」の発令を検討すると明らかにした。違反すれば罰金が科される強制的な措置で、実際に発令されれば東日本大震災の影響で計画停電に続き実施した平成23年7~9月以来となる。幅広い経済活動に影響が及ぶ可能性がある。

経産省は同日まとめた今年度の夏と冬の電力需給見通しと対策案で、夏は3月から定期検査中の関西電力高浜原子力発電所3号機の再稼働のめどが立たず、西日本で4月時点の想定より需給が悪化。今冬はより需給が逼迫する見通しのため、電力使用制限令の発動に向けた事前準備を進めるとした。近く政府の関係閣僚会議で正式に決定する。

電力の需要に対する供給の余力を示す「供給予備率」は7月に北陸、関西、中国、四国、九州の5管内で見通しが悪化。4月公表の試算の5・0%から3・8%に低下した。3月から定期点検中の高浜原発3号機の設備に損傷が見つかり、必要な対策工事完了のめどが立たず電力供給が減少するため。東北、東京、中部の3管内の予備率は3・1%で4月と同じだった。

今夏は全管内で電力の安定供給に必要な3%は上回っているが、経産省は平成29年度以降の夏では最も厳しい状況と警鐘を鳴らす。

対策案では、電力需給逼迫が予想される場合に前日に出す現在の「警報」に加え「注意報」を新設。「無理のない範囲でできる限りの節電」を呼び掛ける。休止中の火力発電所や安全が確認された原発の最大限の活用も盛り込んだ。

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