電力大手 高効率化しながら石炭火力を継続

ドイツのベルリンで開かれた先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合は、日本以外の各国による石炭火力発電の廃止姿勢が改めて明確となった。ただ、日本の電力大手は電力を安定供給できる石炭火力を重視しており、高効率化したりしながら継続する考えだ。

関西電力は京都府舞鶴市の舞鶴発電所のみで石炭を燃料にして発電している。令和3年度の実績では年間発電量は112億キロワット時で、関電全体の12%程度だった。

現在停止中の福井県高浜町の高浜原発1、2号機が再稼働した場合、年間で100億キロワット時前後の発電量が見込まれる。舞鶴発電所を停止させても埋められる発電量だが、担当者は「ベースロード(基幹)電源として一定程度の石炭を維持する必要があると考えている」とする。

中国電力は石炭燃料への依存度が高く、2年度の実績で年間発電量463・9億キロワット時のうち、37%を石炭火力が占めた。石炭火力は維持するが、脱炭素化へ向け、設備などが古い非効率な石炭火力の段階的な廃止を進めている。5年4月に岡山県倉敷市の水島発電所2号機、6年1月に山口県下関市の下関発電所1号機を廃止する。

一方で高効率な「超々臨海圧発電(USC)」を採用した石炭火力発電所を4年11月から運転開始する予定だ。

りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「日本の電力会社にとって、代替手段が判然としない中で石炭の削減だけが強調されるのは厳しい」と指摘。その上で「脱炭素の手段や時間軸は各国の事情に合わせた落しどころが必要だ」と話した。(桑島浩任)

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