大乗仏教の神髄を説いた経典「般若心経(はんにゃしんぎょう)」にメロディーやコーラスを付けて歌う動画が、「癒やされる」としてユーチューブなどの動画サイトで反響を呼び、再生回数は7500万回を突破した。動画をアップしたのは臨済宗・海禅寺(愛媛県今治市)の副住職、薬師寺寛邦(やくしじ・かんぽう)さん(43)。ミュージシャンとして10年以上活動した後、実家の寺を継いだ異色の僧侶だ。
「令和時代になり、私には、般若心経が『Jポップ』として進化してきたと感じられる」という薬師寺さん。もともと歌うことが好きで、高校時代はバンドを組み、ミュージシャンを目指していたという。
大学進学後はますます音楽にのめり込み、ライブハウスでの活動が中心の生活に。歌唱力に磨きをかけるためボーカルスクールにも通った。そこで出会ったメンバーたちと3人で平成15年に「キッサコ」という名のバンドを結成。「キッサコ(喫茶去)」とは茶道や禅の言葉で、「お茶でもどうぞ」という意味という。