三菱電機不正拡大 製造業、相次ぐ品質面の不祥事

日本の製造業で、強みとしてきたはずの品質に関する不祥事が相次いでいる。自社の経営に打撃となるだけでなく、日本のものづくりへの信頼を揺るがしかねない。「実質的に問題がなければいい」という姿勢で定められた手続きを怠るケースもみられ、規範意識や倫理観が問われている。

「別の試験で性能や安全性については担保されていると正当化も行いつつ、不正を行っていた」。三菱電機の一連の検査不正について、外部の有識者でつくる調査委員会の委員長である木目田裕弁護士は25日の記者会見でこう指摘した。

品質をめぐる不祥事は同社にとどまらない。日本製鋼所では、北海道の子会社が製造した発電所など向け部材の一部で検査の不正が判明。データの書き換えなどを通じ、顧客と合意した品質基準を満たしているかのように装っていた。遅くとも平成10年から継続的に実施されていたという。

日野自動車では、エンジンの排出ガス性能や燃費性能に関する試験データで不正が発覚した。3月下旬に国土交通省から行政処分を科され、同社の国内販売台数の3割超のトラックなどの出荷と販売が止まっており、令和5年3月期の業績予想の開示を見送った。

日立製作所傘下の自動車部品メーカー、日立Astemo(アステモ)でも、ブレーキの部品や車体を安定させるサスペンションの部品で約20年間、検査の不正が行われていたことが昨年12月に明らかになった。

「ものづくりにとって品質保証や品質管理、検査は基本中の基本で、ここに不正があったら信頼や安心は築けない。製造業の強みが失われるので、あってはならない」。自らも化学大手トップを務める経団連の十倉雅和会長は今月9日の会見で、相次ぐ品質面での不祥事に苦言を呈した。(森田晶宏)

会員限定記事会員サービス詳細