宇宙航空研究開発機構(JAXA)を6月1日付で退職する宇宙飛行士の野口聡一さん(57)が25日、東京都内で記者会見し「機会を待っている後輩宇宙飛行士に道を譲るべきと考えて決断した」と語った。教育や研究活動など、宇宙関連の仕事への意欲も示した。
決断は自身3回目の宇宙飛行を終えた時だった。「やり残したことはあまりない」。新たな活躍の場を模索しており「1人の民間人として宇宙を盛り上げたい。未来をつくる子どもたちを育成するお手伝いができたらいいと思う」と語った。
飛行士として歩んだ約25年間、記憶に残るのは初めて行った宇宙で見た光景という。「無重力の世界に包まれて、窓の外に球体の地球がぽっかり浮かんでいる。何年たっても忘れられない」