67年前の森永ヒ素ミルク事件 被害者「症状悪化続いている」と提訴

大阪地裁
大阪地裁

昭和30年に森永乳業(東京)の粉ミルクの製造工程でヒ素が混入し、多くの乳幼児に中毒被害が出た「森永ヒ素ミルク事件」で、脳性まひとなった大阪市内の女性(68)が25日、症状が悪化し続けているとして、森永乳業に対し、5500万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

訴状などによると、事件では西日本を中心に乳幼児のヒ素中毒が発生。被害者は1万3千人を超えた。森永乳業は昭和48年、全面的に責任を認め、被害救済の義務を負うことが決まり、全額出資する公益財団法人が障害の度合いに応じ、手当を支給してきた。

女性は事件により幼少時に脳性まひを発症。40歳以降は首や手足の痛み、しびれが悪化し、今は歩行が困難で家事や入浴もままならないといい、月約7万円の手当を「被害救済には全く足りない」と指摘。症状が悪化し続けるため損害が確定しないとして、不法行為から20年間で賠償請求権が消滅すると定める民法の除斥期間や時効は「成立していない」と主張する。

この日、大阪市内で記者会見を開いた女性は「体は悪くなる一方でいつ寝たきりになるか分からない」と訴え、森永乳業は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」としている。

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