新渡戸稲造(にとべ・いなぞう)(1862~1933年)は明治34(1901)年、日本の台湾統治の礎(いしずえ)を築いた総督府ナンバー2、民政長官の後藤新平(1857~1929年)に請われて渡台、製糖業の革新・発展に多大な貢献をした人物である。
その後の新渡戸は京都、東京両帝大教授、旧制一高(東京)校長などを経て、大正9(1920)年1月に創設された国際連盟(本部スイス・ジュネーブ)の事務次長に就任する。海外が長く世界に日本人の精神の在り方を知らしめた英文の『武士道』出版(明治33年)による国際的な知名度も買われたのだろう。