蔣介石のひ孫、台北市長選に出馬へ 野党が擁立

蔣万安氏=2019年12月、台北市内
蔣万安氏=2019年12月、台北市内

【台北=矢板明夫】台湾の最大野党、中国国民党は25日、台湾の初代総統、蔣介石のひ孫で、立法委員(国会議員に相当)の蔣万安氏(43)を11月に行われる台北市長選挙の公認候補として擁立した。蔣氏は記者団に対し「市民のみなさんと協力して、台北市を国際都市にしていきたい」と抱負を語った。

蔣氏の祖父は元総統の蔣経国氏で、父親は元外交部長(外相)の蔣孝厳氏。台湾で高い知名度を誇る一族に生まれ、自身も米国の大学院を修了し米弁護士資格を持つエリートだ。2016年に立法委員に初当選したときから、国民党の「明日の星」と呼ばれていた。

台湾で1990年代に民主化が実現して以降、選出された4人の総統のうち、蔡英文総統以外の李登輝氏、陳水扁氏、馬英九氏はいずれも台北市長経験者で、台北市長のポストは総統への登竜門ともいわれている。

蔣氏は現在、メディア各社の世論調査で次期台北市長としての支持率はいずれも1位となっているが、与党、民主進歩党はまだ候補者を擁立していないこともあり、情勢は不透明なところがある。民進党の関係者は「蔣氏は強敵だ。全力で彼の当選を阻止しなければならない」と話している。

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