日米エネルギー協力 対露にらみLNGが焦点に

萩生田経産相(タイ政府提供・共同)
萩生田経産相(タイ政府提供・共同)

日米首脳会談後に出された共同声明では、ロシアのウクライナ侵攻を受け重要性が増す「エネルギー安全保障」分野の連携強化も確認された。日米を含む先進7カ国(G7)は露産エネルギーへの依存度引き下げに取り組んでおり、対露制裁の禁輸措置が石炭、石油から液化天然ガス(LNG)にも拡大するかが焦点だ。LNGの大半を輸入に頼る日本は露産の代替として、米国に増産と輸出増の具体化を求めていく考えだ。

「引き続きLNGに関する協力も含め、エネルギー分野における米国との連携を一層強化していく」。24日の閣議後会見で萩生田光一経済産業相は日米首脳会談の成果をこう強調した。

LNGは同じ化石燃料の石炭や石油に比べて二酸化炭素(CO2)排出量が少ない特徴がある。中長期的に脱炭素化を目指す世界的な潮流の中で、石炭や石油を使う火力発電所からの置き換えなどで需要が増えている。

経産省の「エネルギー白書2021」によると、令和元年度におけるLNGのロシアからの輸入割合は8・3%で国別では3位だ。米国からの輸入割合は5・4%で国別では5位だが、増産余地があるとみられている。中長期的に脱炭素化を重視するバイデン政権はLNG増産に消極的な向きもみられるが、政府は増産と輸出増を強く求めていく考えだ。

一方、法令で国に1日の使用量の90日分、民間企業にも70日分の備蓄を定めている石油に比べ、LNGの備蓄環境は整っていない。

マイナス約160度という超低温で輸送されることもあり、LNGの備蓄は難しく「備蓄量は2~3週間が限度」(ガス業界関係者)とされる。

日本が露産の禁輸に踏み切るとしても安定供給のためには代替調達先を確保しなければならない。だが、米国も大規模な設備投資を急に行うのは難しく、「世界的なLNG争奪戦に突入」(電気事業連合会の池辺和弘会長)の様相を呈している。

G7として歩調を合わせ、ロシアへの追加制裁に踏み切る場合は、更なるエネルギー価格の高騰で国民生活や企業の経済活動に影響を与えない工夫も必要だ。米国への働きかけでは具体的な成果を引き出す政府の努力も求められる。(永田岳彦)

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