新選組で巨漢のきまじめな隊士が島田魁(1828~1900年)であった。身長180センチ、体重169キロもあり、相撲好きでめっぽう強い。父親の不始末で生まれ育った岐阜を追われた。名古屋城下で開かれた御前試合で勝ち、これをみた大垣藩士・島田才が養子として、島田魁と名乗ることになった。
腕を磨くため江戸に出て、心形刀流の坪内主馬の門下となり、免許皆伝、師範代を務め、入門してきた永倉新八と剣を交え親交を深めた。永倉は酒好きで女好きだが、島田は温厚で武骨な性格。下戸で酒はたしなめず大福餅は20個も食べ、小豆鍋には目がない甘党で、花街とも無縁だったが、島田は11歳下の永倉を弟のようにかわいがった。