ロシアによるウクライナ軍事侵攻の長期化で、世界の小麦輸出量の約3割を占める両国の輸出が停滞し、世界的な穀物不足と食料価格の高騰が進んでいる。世界食糧計画(WFP)は「栄養失調状態にある8億1100万人に危機が迫っている」と強い懸念を示した。両国からの小麦輸入への依存度が高かった中東・アフリカ諸国への打撃は大きい。
国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、2020年の小麦の輸出量の世界1位はロシアで、5位がウクライナ。両国からの輸入量が21年に5割を超えた26カ国のうち、レバノンやエジプトなど16カ国が中東・アフリカ地域にある。