中国当局のウイグル族収容の内部資料、数万件が流出 独が調査要求

新疆ウイグル自治区ウルムチ市内の達坂城区にある強制収容施設。表向きは「職業技能教育センター」と呼ばれているが、多くの欧米メディアは、ウイグル族といった少数民族の人々がここで強制労働に従事させられていると報じている=2018年9月4日(ロイター)
新疆ウイグル自治区ウルムチ市内の達坂城区にある強制収容施設。表向きは「職業技能教育センター」と呼ばれているが、多くの欧米メディアは、ウイグル族といった少数民族の人々がここで強制労働に従事させられていると報じている=2018年9月4日(ロイター)

中国新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル族らが強制収容されている問題で、2万人分以上の収容者リストや収容施設の内部写真など、2017~18年頃の中国当局の内部資料数万件が流出したことが24日分かった。「逃げる者は射殺せよ」と命じた中国共産党幹部の発言記録など、関連の内部資料としては過去最大規模の流出とみられる。

資料は米非営利団体「共産主義犠牲者記念財団」(VOC)のアドリアン・ゼンツ上級研究員が入手。同自治区カシュガル内の公安ネットワークから第三者がハッキングしたもので、複数のメディアの検証を経て、VOCなどが24日に調査結果を公開した。

党幹部の発言記録によると、自治区トップの陳全国・党委員会書記(当時)は17年5月の演説で「海外からの帰国者は片っ端から捕らえろ」「拘束者が数歩でも逃げれば射殺せよ」と指示。習近平総書記(国家主席)ら党中央の関与を示す公安トップの発言もある。

収容者リストには、カシュガル地区コナシェヘル県のウイグル族ら2万人以上の身分証番号や収容理由が記されている。ゼンツ氏は同県で18年頃、成人全体の12・1%以上が収容されていたと推計した。10~70代の収容者2800人超の顔写真のほか、当局者が収容者に手錠や覆面をつけて尋問したり、制圧訓練を行ったりする施設内部の写真も流出。VOCは「罪なきウイグル人らが犯罪者のように扱われていることを証明するものだ」としている。

資料の流出を受け、ドイツのベーアボック外相は24日、中国の王毅国務委員兼外相とのオンライン会談で「透明な調査」を要求した。独外務省によると、ベーアボック氏は資料を「深刻な人権侵害についての新たな証拠」として取り上げた。(桑村朋、パリ 三井美奈)

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