対中包囲網に期待のインド 不安材料は対露融和姿勢

【クアッド日米豪印首脳会合】会合で発言するモディ印首相=24日午前10時45分、首相官邸(春名中撮影)
【クアッド日米豪印首脳会合】会合で発言するモディ印首相=24日午前10時45分、首相官邸(春名中撮影)

【キャンベラ=森浩】インドにとり、中国との対立が長期化する中で、対中包囲網として日米豪印の協力枠組み「クアッド」の重要性は増している。インドはウクライナ侵攻をめぐって対露融和姿勢を続け、国際社会に失望感も漂う。モディ首相には首脳会合を通じ、自由主義陣営の一員としての立場を強くアピールする狙いもあった。

インドにとって、安全保障面の最大の懸案は、2020年の国境付近での衝突を契機に関係が悪化した中国への対応だ。中国は現在も係争地付近で軍事用インフラの整備を進めており、戦力で劣るインドの対応は後手に回っている。

今回、多国間の自由貿易協定に消極的なモディ氏が、米国の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」参加を表明したのは、米国などとの関係強化を通じ対中包囲網を強固にしたい思惑もある。

ただ、インドの対露融和姿勢はクアッドの結束の不安材料となりかねない。米国は直接の批判は避けているが、インドによるロシア産石油購入について「急拡大は望まない」と遠回しにくぎを刺している。

「世界最大の民主主義国」として存在感を示し、対外投資を呼び込んできただけに、モディ氏は自国への反発拡大は慎重に避けたい考えがある。モディ氏は24日の首脳会合で「われわれの相互信頼と決意は、民主主義勢力に新たなエネルギーを与えている」と述べ、民主主義国家としての立場を改めて強調した。

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