立民の足すくう「三重苦」 参院選埼玉

立憲民主党が夏の参院選埼玉選挙区(改選数4)での支持拡大に腐心している。自公両与党と議席を分け合う「指定席」ともいえる環境だった旧民進党時代とは一変し、支持層が重なる国民民主党との競合が避けられないからだ。立候補予定者の知名度不足と党勢の低迷も重くのしかかり、「三重苦」の中での戦いを強いられている。

「ぜひ、チラシを手にとっていただければと思います」

埼玉選挙区に立候補する立憲民主党新人で県議の高木真理氏(54)は24日朝、東武東上線朝霞台駅(埼玉県朝霞市)前に立ち、通勤客らに切々と訴えかけた。

高木氏は、さいたま市議2期を経て平成23年の県議選南4区(同市北区)で初当選し、現在3期目。地方議員としての活動が高く評価され立候補予定者に選ばれたが、県内全域をエリアとする参院選の選挙区に挑むには知名度が不足しているというのが党関係者の一致した見方だ。

この日の活動場所に選んだ朝霞市も高木氏の地盤からは離れており、政策などを記したチラシを手渡そうとしても素通りされることが多かった。

「あまりチラシを受け取ってもらえる場所ではないが、その割には多く受け取っていただいた。とにかく地道に活動していくしかない」。訴えを終えた高木氏は自身に言い聞かせるように語った。

埼玉選挙区では、自民党の関口昌一氏(68)、公明党の西田実仁氏(59)、無所属の上田清司氏(74)の各現職が改選を迎える。この3人に高木氏を加えた4人が争いの軸になる公算が大きい。

高木氏は4人の中では最も苦しい局面に立たされているといえる。野党候補が乱立し、高木氏と、共産党新人で元衆院議員の梅村早江子氏(57)、れいわ新選組新人で弁護士の西美友加氏(50)らに政権批判票が分散することが避けられない情勢だからだ。

加えて、知事4期の実績を持ち抜群の知名度を誇る上田氏が国民民主党の推薦を受けることも、高木氏にとっては手痛い展開だ。連合は、高木、上田両氏を推薦すると決めており、旧民進党支持層の票は確実にばらける。

一方で、日本維新の会新人で弁護士の加来武宜氏(41)にとっては、高木、上田両氏らが票を食い合う構図は好都合だ。立憲民主党県連幹部は、野党系の票が分散することで「維新が脅威になる」と読む。

苦境の中で戦いに臨む立憲民主党に追い打ちをかけているのが、常態化しつつある党勢の低迷だ。

「立憲民主党、なかなかニュースに出てくることが少なくなっておりまして、皆さんから『どんな活動をしているんだろう』というお話をいただくことが多いんですけれども…」

高木氏は24日の街頭での訴えでこう繰り返し、国会論戦などでの見せ場の少なさが党の存在感低下を招いていることに焦りをにじませた。(星直人)

■立候補予定者(4―11)

関口 昌一68 党参院会長 自現

高木 真理54 県議 立新

西田 実仁59 党参院会長 公現

加来 武宜41 弁護士 維新

梅村早江子57 元衆院議員 共新

西 美友加50 弁護士 れ新

河合 悠祐41 派遣会社役員 N新

小林 宏49 建設業 N新

湊 侑子39 製材会社役員 諸新

坂上 仁志60 経営コンサル 諸新

上田 清司74 元知事 無現

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