クアッド首脳会合

首相、議長会見全文(下)「今オーカスに入るとは考えていない」

日米豪印首脳会合で会見に臨む(左2人目から)オーストラリアのアルバニージー首相、バイデン米大統領、岸田文雄首相、インドのモディ首相=24日午後、首相官邸(萩原悠久人撮影)
日米豪印首脳会合で会見に臨む(左2人目から)オーストラリアのアルバニージー首相、バイデン米大統領、岸田文雄首相、インドのモディ首相=24日午後、首相官邸(萩原悠久人撮影)

岸田文雄首相は24日の日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合後、官邸で議長会見に臨んだ。

=(上)から続く

--ロシアへの対応では日米豪とインドの立場は一致していないのではないか

首相 この国際情勢については、各国の歴史的な経緯は地理的状況に鑑(かんが)みて同志国の間でも立場が完全に一致しないこともある。これは当然のことだ。それを前提として相互の理解を深めて協力の輪を広げていくことが重要であり、日米豪印では認識の共有、協力の実績を今日までもずっと積み上げてきた。このことの意味は大変重たい。

先ほども申し上げたように具体的な各首脳の発言の紹介は控えるが、基本的な認識として、ウクライナ情勢をめぐっても、インドを含めた4カ国の首脳間で法の支配や主権、領土の一体性などの諸原則の重要性を再確認することができた。また、力による一方的な現状変更はいかなる地域においても許してはならないという認識で一致した。

今回4カ国の首脳がそれぞれ先ほど申し上げたように立場の違いは少しずつあるが、立場の違いがあっても、今言った点については一致することができた。世界に対して一致したメッセージを発することができた。このことの意味が大変大きい。

日米豪印においては、今後も自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた実践的な協力を進めていく。こうした具体的な結果を積み重ねていきたいと思っているが、大きな認識として、共有できる考え方を確認する率直な意見交換はこれからも続けていきたい。

--新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」は「地域的な包括的経済連携(RCEP)」や「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」とどう差別化するのか

首相 バイデン氏のリーダーシップのもとに立ち上がったIPEFを米国によるインド太平洋地域への積極的なコミットメントを示すものであると歓迎し、支持する。

米国がインド太平洋の経済秩序にも関与すると示したことは大変大きい。また、RCEPやTPPには参加していないインドも参加していることは大きなポイントだ。そのうえで、サプライチェーン(供給網)の強靭化などの課題での協力を確認する。持続可能で包摂的な経済成長をインド太平洋で実現していくという取り組みだ。

そうした考え方に基づき、参加国の間で議論を深めて、具体的な成果を目指していくのがIPEFの基本的な考え方だ。

わが国としては米国のTPP復帰等が望ましい。米国に対してTPPに復帰してもらいたいという働きかけを続けていく立場は変わらないということは申し上げておきたいが、それぞれの枠組みを活用することによって、インド太平洋地域の持続可能で包摂的な経済成長を実現する道を探っていきたい。

--アルバニージー首相とはどのように協力していくのか。また、米国、英国、豪州の3カ国によるインド太平洋地域の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に日本が加入することはあるのか

首相 アルバニージー氏の訪日に心から歓迎をしたい。日本と豪州は基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーだ。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて日豪間の安全保障、防衛協力を推進していくことは極めて重要だ。アルバニージー氏との会談でも安全保障、防衛分野を含めて、日豪関係の一層の深化に向けて取り組むことを確認したい。

オーカスについてはインド太平洋地域の平和と安定に資するものであり、わが国としては、オーカスの取り組みを支持する。わが国として、今、オーカスに入ることは考えていないが、安全保障、防衛分野での重要なパートナーである豪州、さらに米国、英国、オーカスに参加している国々との間でさまざまな形で連携を強化していく。こうした取り組みはこれからもしっかり進めていきたい。

豪州との間においては、太平洋島嶼(とうしょ)国との関係も議論になったが、太平洋島嶼国は自由で開かれたインド太平洋を実現する上で大変重要なパートナーだ。日本としては豪州を始め、米国あるいはニュージーランド等の同盟・同志国と連携しながら、安全保障の分野を含め、太平洋島嶼国との協力についても力強く進めていきたい。(完)

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