バイデン米大統領に有権者の審判が示される11月8日の中間選挙まで半年を切った。バイデン氏を支える与党の民主党が上下両院で多数派を維持できるかが焦点で、野党の共和党と議席が拮抗(きっこう)する上院の選挙戦では接戦とされる4州の動向に注目が集まる。バイデン氏は、トランプ前大統領への攻撃に続いて共和党にも矛先を向け、同党の政策は庶民の生活を圧迫すると批判を強めている。
バイデン氏は中間選挙まで残り半年となる5月に入ると、トランプ氏のスローガン「米国を再び偉大に」の頭文字から付けられた呼び名「MAGA(マガ)」を使って共和党の政策を批判し始めた。
バイデン氏は、共和党選対担当のスコット上院議員が打ち出したインフレ対策案を持ち出し、中間層の増税や社会保障の削減につながって市民生活を直撃すると非難。市民生活を重視する民主党の政策と対極にあるとして、大企業や富裕層を優遇したトランプ前政権の流れをくむ形の同案を「過激なMAGA計画」と呼んで指弾している。