ウクライナ検察は22日、ロシア軍が北部チェルニヒウ州に侵攻した3月、占拠した学校の地下室に住民350人以上を約1カ月間にわたり閉じ込め、ウクライナ側から攻撃を受けないよう「人間の盾」として使っていたと発表した。劣悪な環境で高齢者には死者も出たという。国際刑事裁判所(ICC)と共に戦争犯罪の証拠を収集している。
ウクライナ検察によると、チェルニヒウ州のヤヒドネ村に侵攻したロシア軍は学校に司令部を置き、3月3日から同31日まで地下室に住民を閉じ込めた。地下室は約200平方メートル。閉じ込められた住民には約80人の子どもが含まれ、生後間もない乳児や93歳の高齢者もいた。狭く不衛生な環境で食料や水が不足し、高齢者10人が死亡したという。検察によるとこの村で住民7人が射殺され、ロシア軍は家を破壊し、電化製品を略奪した。
ロシア軍は3月末から4月初旬にかけてチェルニヒウ州や首都キーウ(キエフ)周辺の地域から撤退した。(共同)