かやぶき民家を研究拠点に 筑波大、エネルギー自給自足へ

かやぶき民家を改修した筑波大の研究拠点=茨城県石岡市小屋(谷島英里子撮影)
かやぶき民家を改修した筑波大の研究拠点=茨城県石岡市小屋(谷島英里子撮影)

筑波大(茨城県つくば市)は、同県石岡市八郷地区のかやぶき民家を改修した研究拠点をオープンした。敷地内には太陽光パネルと電気自動車の充放電設備を導入した小屋を新設。かやぶき建築の在り方を模索しながら、エネルギーの自給自足を目指す研究に取り組む。

研究拠点に生まれ変わった民家は、持ち主が市に寄付し、市が筑波大に無償で貸し出したもの。江戸末期から明治初期の建築と推測されている。同大システム情報系社会工学域の学生らが、平成29年度から5年間かけて地域住民やかやぶき職人らの協力のもとで整備した。

床面積は約120平方メートル。屋根をふき替え、畳や板の4部屋にテーブルやいろりの空間をつくった。新設した離れの小屋には、屋根に太陽光パネルを取り付け、電気自動車の充放電設備も導入した。今後、敷地の脇を流れる小川に小水力発電の設備を備える計画。

災害時に電柱が倒れるなどし外部からの送電がなくなったときに備え、エネルギーの自給自足を研究していく。担当の山本幸子准教授は「災害時に電気が供給されなくなった場合は太陽光発電などでまかないたい」と話す。

筑波山麓の八郷地区は、15年前にはかやぶき民家が90棟あったが、現在は50棟ほどに減っている。同大はかやぶき民家を「最も環境に優しい建築」と位置づけ、かやぶきの持続的な新しい在り方を模索するという。

研究拠点のオープニング式典は今月11日に開かれ、大学関係者や市が完成を祝った。筑波大の和田洋副学長は「日本文化を発信できる拠点に育ててほしい」と話す。学生の稲石渓太(けいた)さん(23)は「地域活性化の起爆剤にもなれば」と期待を込める。

学生は週2、3日研究活動に使うほか、アートの展示会場やワークショップの場としても利用する。(谷島英里子)

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