ジャズの山中千尋、ピアノ〝異種格闘〟コンサート

ピアノのデュオコンサートを開く山中千尋=東京都豊島区(石井健撮影)
ピアノのデュオコンサートを開く山中千尋=東京都豊島区(石井健撮影)

山中千尋(ちひろ)が6月3日、〝異種格闘〟のピアノデュオに挑むコンサートを開く。昨年、CDデビュー20周年を迎えた人気のジャズピアニスト。〝格闘〟のお相手は、妹尾(せのお)武。ゴスペラーズの「永遠に」などJポップや映画音楽の作曲家としても活躍するポップス畑のピアニストだ。

実は2人は、桐朋学園大音楽学部ピアノ専攻で共に学んだ間柄。試験で、ある曲を左手だけで弾いて教授たちから問題視されたという山中。独自の解釈を加えてショパンを弾くなどしていた妹尾。クラシック音楽の学び舎の〝はみだし者〟同士でもあった。

「皆、指がよく動くよね。でも、それが何? 妹尾くんは、そんなふうに自分らしさをすごく大事にしていた。よく一緒に遊んだな」と山中は学生時代を懐かしむ。

コンサートは「『VS』 Vol.4 山中千尋×妹尾武」と題し、ステージに2台のピアノを置き、2人がそれぞれを弾いて共演する。山中が妹尾を誘った。本格的な共演は初めて。「ジャズのピアニストとは異なる〝語法〟がとても新鮮」と山中。

半面、「ピアノのデュオはすごく難しい」とも。

「ピアニストは、ピアノというオーケストラをもった指揮者。ピアノのデュオは、2人の指揮者と2つのオーケストラが存在する特殊な状態だから」

そこで、お互いの〝オーケストラ〟の音を衝突させず、2倍、4倍の響きにするための知恵を2人で絞っている。

「永遠に」から「八木節」、クラシックの名曲まで幅広い選曲をする予定。変拍子が得意な山中だが、妹尾は絶対にやりたくないと意見がぶつかることもあるようだ。だが、このコンサートに込める思いは1つ。山中が言う。

「『あの2人、ピアノがうまかったね』ではなく、『楽しかったね。私もピアノを弾いてみたいな』とピアノを身近に感じて帰ってもらえるコンサートにしたい」

「『VS』 Vol.4 山中千尋×妹尾武」は、東京芸術劇場(豊島区)で、6月3日午後7時開演。全席指定5千円、高校生以下は1千円。いずれも税込み。問い合わせは、0570・010・296(東京芸術劇場ボックスオフィス)。

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