北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が沈没した事故で、海上保安庁から依頼を受けた専門業者「日本サルヴェージ」が23日、水深約120メートルの海底にある船体をワイヤでつり上げる作業を始めた。
24日にも海面に引き揚げ、クレーンを使って作業船上に載せる。14人が死亡、12人が行方不明となった事故は発生から1カ月。船体調査で事故原因の解明が進むことが期待される。
第1管区海上保安本部(小樽)は巡視船などでの洋上捜索を継続している。北方領土・国後島で見つかった2人の遺体については、身元特定に向け、実効支配するロシアとの情報交換を進めている。
1管によると、サルヴェージ社のダイバーたちが23日午前7時50分ごろ、専用のカプセルを使って海底への降下を開始。午前8時55分ごろからカプセルを出て、深い海での活動が可能となる「飽和潜水」に移り、作業に取りかかった。