日米首脳が23日、半導体分野での協力で合意したのは、新型コロナウイルス禍で露呈した供給不足のリスクに対処し、安定確保を図る必要性が高まっているからだ。デジタル化の進展に不可欠な半導体の重要性はさらに高まっていくことになるため、国内企業は生産拠点の拡充など増産の動きを活発化させている。
「最先端の半導体の開発を含む経済安全保障分野や、宇宙などに関する具体的な協力でも一致できた」。岸田文雄首相は首脳会談後の共同記者会見でこう強調し、バイデン米大統領もサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化で力を合わせていく姿勢をみせた。
半導体は幅広い電子機器に使われ、供給不足になれば多くの産業の活動に支障が生じる。供給網がグローバル化している中では米中摩擦、ウクライナ危機などの地政学リスクに対処する枠組みが重要となるため、日米は今月上旬、同志国・地域で供給網を強靭化するために協力する基本原則に合意した。