愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」の大規模漏水で、東海農政局は22日、記者会見し、供給を中止している農業用水で「近日中に試験的な供給を開始したい」との方針を示した。矢作川から用水路に水を取り込むための仮設ポンプを増設しており、5月中に農工業用に最低限必要な水の確保を目指す。
県と地元の土地改良区も22日、用水路近くを流れる猿渡川からポンプ2台で取水を開始した。
農政局によると、矢作川の水は明治用水からパイプラインを経由して農地に届く。パイプラインへの通水が既に始まっており、今後、一部の地域で試験供給が始まるとの見方を示した。
漏水は15日に確認され、その後範囲が拡大。農政局は22日朝時点でポンプ92台を設置。大谷川から用水への取水も始めている。
原因とみられる矢作川の川底にできた穴の復旧は工法などを検討中で、めどが立っていない。