主張

子供とスポーツ 体動かす環境大人が守れ

風薫るこの時節は、外遊びやスポーツに適している。感染症対策は引き続き必要だが、子供たちが体を動かす環境は守りたい。

子供や青少年の生活習慣は、新型コロナウイルス禍で変わりつつある。外遊びが制約を受ける中で、スマートフォンなどのメディア機器に触れる時間が増えた半面、遊びやスポーツで体を動かす時間が減った。心身への影響が懸念され、大人の目配りが必要だ。

笹川スポーツ財団がこの春に刊行した令和3年版の「子ども・青少年のスポーツライフ・データ」によると、スマホ、パソコンなどの画面を見る「スクリーンタイム」の増加が目につく。

平日のメディア機器の利用時間を12~21歳の男女に聞くと、「3時間以上」は47・5%に上り、元年の調査から14・3ポイントも増えた。「5時間以上」は18・3%で、元年の9・3%から大幅な増加だ。学年が上がるにつれて、利用時間が多くなっているとのデータも示されている。

スポーツ庁が実施した2年度の体力・運動能力調査の結果と対比すると、気になる状況が浮かび上がる。

体力テストの合計点は小学1~6年でおおむね元年度を上回り、中学・高校はほとんどの年代で下回った。メディア機器への依存度と子供の体力低下の相関が、強く疑われる。このまま放置することはできない。

運動時間の減少が心の健康に及ぼす影響も心配だ。心の抑鬱症状が「全くない」と答えたのは、運動実施頻度の最も高いグループが76・1%だった。これに対し、最も低いグループは65・4%で、3人に1人が軽度から重度の抑鬱症状があるとの結果が出た。

同財団は「運動・スポーツ実施と心の健康状態との関連性が示唆された」としている。

子供や青少年の体力は、日本の将来の国力につながる。学校教育の現場では、メディア機器の重要度が増しているが、子供たちが過度に依存することのないよう、関係省庁には連携して施策を講じてもらいたい。

子供は他者との触れ合いを通じて、社会規範などを身につける。遊びやスポーツはその入り口だ。彼らが体を動かす喜びを得られるように、大人の責任で制度や環境を整えなければならない。

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