日米豪印4カ国(クアッド)は24日、対面形式では2回目の首脳会合を東京で開く。日本が主導した戦略枠組みだが、ここまでたどり着くのに紆余曲折(うよきょくせつ)を経て約15年の月日が流れた。安倍晋三元首相が作り、菅義偉前首相が粘って勢いを保ったクアッドは、岸田文雄首相が主催者として各国首脳を招くことになる。
始まりは平成19(2007)年の8月だった。首相として訪印した安倍氏はインド国会で「二つの海の交わり」と題する演説を行った。「拡大アジアは米国や豪州を巻き込み太平洋全域にまで及ぶ広大なネットワークへと成長するでしょう」。安倍氏はこう述べ、民主主義国家による連携を呼びかけた。
日米豪印4カ国は16年12月のスマトラ沖地震で中核グループを形成し、国際的な災害救助活動を主導。19年5月には局長級協議が開催されていた。だが、当時の担当者は「スマトラ沖地震も重要だが、翌年の原子力協力がターニングポイントだった」と振り返る。