観光船沈没は23日で1カ月 引き揚げ船が22日夕出航

北海道・網走港に入港する作業船「海進」=21日午後7時55分
北海道・網走港に入港する作業船「海進」=21日午後7時55分

北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)などは22日、船舶10隻で洋上捜索を継続した。事故から23日で1カ月となるが、乗客乗員26人のうち12人が消息を絶ったまま。身元確認が済んでいない2人の遺体が見つかった北方領土・国後島周辺でも巡視船2隻が乗客らの行方を捜している。

半島西側の水深約120メートルの海底に沈むカズワンの引き揚げ作業は23日から本格化する見込み。深い海での作業を可能にする「飽和潜水」の潜水士を乗せた作業船「海進」は22日夕に網走港を出て、現場海域に向かう。

海上保安庁によると、23日には、船体と海底との隙間に通した「スリング」と呼ばれるナイロン製の帯をワイヤでつり上げ、船体を水深10~20メートルの深さに移動させた後、網走港の近くまで曳航(えいこう)する予定。

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