阪神の2年目左腕、伊藤将が46日ぶりのマウンドで躍動した。22日の巨人戦で8安打を浴びながらも要所を締め、無四球でプロ初完封。新型コロナウイルス感染からの復帰戦で今季初勝利を飾り、「野手のおかげで9回を投げることができた。感謝しています」とお立ち台で満面の笑みを浮かべた。
丁寧に低めをつく投球で内野ゴロの山を築いた。離脱前最後の登板となった4月6日のDeNA戦では、完封目前の九回2死から失点。この日も九回1死一、二塁のピンチを招いたが、「2度は失敗できない」と気合を入れ直した。ポランコ、中田と強打者を仕留めて拳を突き上げ「自分のピッチングができた」とうなずいた。
コロナ感染の影響で離脱を強いられ「悔しさがあった」。もどかしい日々を過ごしたが、その思いを力に変えた。矢野監督は「(投球の)中身も素晴らしかった。申し分ない」と称賛を惜しまなかった。
借金12の最下位と依然として苦しい状況だが、昨季10勝を挙げた左腕の復帰は明るい材料だ。「1カ月休んじゃったので、その分チームに貢献したい」と伊藤将。巨人との「伝統の一戦」に勝ち越し、チームは上り調子で24日からの交流戦に臨む。(大石豊佳)