照ノ富士、一人横綱の務め 休場明けの苦境越え7度目V

【大相撲五月場所千秋楽】○照ノ富士(よりきり)御嶽海●=両国国技館(尾崎修二撮影)
【大相撲五月場所千秋楽】○照ノ富士(よりきり)御嶽海●=両国国技館(尾崎修二撮影)

大相撲夏場所千秋楽は、休場明けの横綱照ノ富士が大関御嶽海を寄り切り、12勝3敗で3場所ぶり7度目の優勝を果たした。大関陣が総崩れする中、一人横綱の重責を見事に果たした。

賜杯を受け取った後の場内インタビュー。7度目の優勝の感想を問われた照ノ富士はわずかに笑みを浮かべ、「やっと終わったって感じですね。いつもより長く感じた」と言った。実感そのものだろう。

横綱として初となる休場明けの本場所。初日、6日目、8日目と押し相撲の相手に一方的に敗れ、隆の勝らを追う展開を余儀なくされた。古傷である両膝なども万全でない。それでも気持ちは切らさなかった。

伊勢ヶ浜部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)は「横綱は『感覚がおかしい。体に力は入っているのに(上体が)起きちゃう』と言っていた。(立ち合いで)当たろうとしていたから『踏み込んでいけ』と伝えた。幕内上位の力士の力は部屋での稽古とは違う」と語る。

照ノ富士本人によると、ようやく良い感覚を取り戻せたのは、11日目の阿炎戦からだ。千秋楽は御嶽海に対して立ち合いで押し込み、頭を下げて相手の懐に潜り込むと、両まわしをがっちり引きつけて盤石の形で寄り切った。後半7連勝で務めを果たした一人横綱に、八角理事長(元横綱北勝海)は「大関陣が不振だったから余計に頑張りが目立った。これまでで一番大変な優勝だったろう。それだけに価値がある」と賛辞を惜しまない。

表彰式後、照ノ富士は「場所前、焦りもあった」と明かした。トレーニングを張り切りすぎたことで、コンディショニングに狂いが生じたという。「先場所の悔しい思いをぶつけて行こうと思っていた。毎日、必死にやってきたから。結果的に良かったと思います」。30歳は苦境を越えて、また一つ強くなる経験を重ねた。(宝田将志)

照ノ富士が7度目の優勝 12勝3敗、休場明けで復活


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