関西でもお中元商戦スタート SDGs、自分用商品強化

関西の百貨店でお中元商戦がスタートした。近年は季節のあいさつとして儀礼的に贈る習慣が減る一方で、こだわりの商品を家族や親しい友人、自分用に購入するスタイルが広がっている。各店は持続可能な開発目標(SDGs)を意識した商品や、新型コロナウイルス禍で増えた自宅で過ごす時間を充実させるための商品を提案し、新たな需要の取り込みを狙う。

「儀礼的なギフトは減り、贈る相手の年代や好みを考えた選び方をする人が増えている。自分で、お取り寄せのような形で消費する需要も拡大しています」。あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)、商品政策推進部の三木崇寛課長は近年の傾向について説明する。

同店は今月18日、約1600商品を集めた特設売り場を設置、社会の意識の高まりを受け、SDGsに関連した商品のコーナーを初めて設けた。廃棄されるビール粕を使った飼料で育てた黒毛和牛の肉や、焼き菓子の詰め合わせから減らした1個分に相当する代金を東北の震災復興支援にあてる商品などが並ぶ。

ほかの在阪百貨店も、阪急うめだ本店(北区)と阪神梅田本店(同)、大丸梅田店(同)、高島屋大阪店(中央区)がすでにインターネットで受け付けを開始。いずれも6月1日に売り場を設置する。阪急うめだ本店では、人口減少や高齢化による後継者不足に直面する高知県の北部地域で、地元生産者と移住者が協力して手がけた夏野菜セットを販売する。

さらに各店は自宅時間を楽しむための商品も強化している。高島屋は家族や親しい友人が集まる状況を想定した冷凍ケーキを初めて販売。近鉄は夏の風物詩である縁日気分を自宅で手軽に味わえるよう、焼き鳥やサイダーなども取り扱う。

ハルカス近鉄本店は8月3日までの売り場開設期間中、来店客数のピークが7月3日の日曜日になると予想する。お中元1つにかかる平均価格は4千円、1人の客が贈る相手は平均4・5件とし、他の百貨店もほぼ同傾向とみる。近鉄の三木氏は「過去2年間、コロナの影響を懸念したものの、気軽に会えなくなった人への贈り物需要が高まり、売り上げはほぼ横ばいとなった。今年は3年ぶりに店頭で5月から展開できたこともあり、コロナ前の令和元年を大幅に超える売り上げにしたい」と話していた。(井上浩平)

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