フランスで開幕した世界三大映画祭の一つ、第75回カンヌ国際映画祭。新型コロナの影響で通常通りの5月開催は3年ぶりとなり、現地では華やかな雰囲気に包まれる一方、ロシアのウクライナ侵攻を非難する姿勢を明確に打ち出すなど政治色の強い開催となった。
17日の開幕式には、ウクライナのゼレンスキー大統領が事前予告なしにオンラインで参加し、演説を行った。ナチス・ドイツのヒトラーを痛烈に皮肉ったチャプリンの米映画「独裁者」(1940年公開)を挙げ、プーチン露大統領を念頭に「再び独裁者が現れ、自由のための戦争が起きている」と批判した。
そして「新たなチャプリンが必要だ」とウクライナ支持を呼びかけた。この演説に対し、会場にいた俳優や監督ら映画関係者は立ち上がり、拍手で応えた。