自民と立民が維新を挟撃 改憲へ協力不可欠、慎重論も

自民党前衆院議員らが立ち上げた「挑戦の会」設立総会に出席した岸田文雄首相(自民総裁)=21日午後、大阪市天王寺区(彦野公太朗撮影)
自民党前衆院議員らが立ち上げた「挑戦の会」設立総会に出席した岸田文雄首相(自民総裁)=21日午後、大阪市天王寺区(彦野公太朗撮影)

自民党と立憲民主党が夏の参院選に向け、日本維新の会を挟撃している。21日には岸田文雄首相(自民総裁)と立民の泉健太代表が大阪に入り、維新の本拠地で苦闘中の仲間たちを激励した。自民の長期政権を支えてきた保守票を奪い、立民から野党第一党奪取を目指す維新の勢いを止める狙いがある。ただ、自民にとって維新は憲法改正などの必要性を共有する政党でもあり、全面対決には慎重な声も少なくない。

首相は維新が躍進した昨年秋の衆院選で苦杯をなめた大阪の前衆院議員ら11人が結成した会の設立総会に出席し、「昨年の選挙結果にひるむことなく、高い志を持っている。ぜひ国会に戻ってもらいたい」とエールを送った。

安倍晋三、菅義偉の両政権は2025年大阪・関西万博の実現などで維新と歩調を合わせたが、今は「首相との付き合いはない。幹部同士の交流も減った」(維新幹部)と両党間にはすきま風が吹いている。

実際、自民の茂木敏充幹事長は8日、大阪市内で街頭演説し、ウクライナ情勢を巡り橋下徹元大阪市長を念頭に「維新の創設者がロシア寄りの発言を繰り返しているが維新の国会議員は何も言えない。身内に甘い政党だ」と批判。9日の役員会でも「昨年の衆院選のような圧倒的な勢いは感じなかった」と挑発した。

首相がハト派(リベラル)とみられているため、党内には維新に保守層をさらわれることへの危機感も強い。大阪が地元の自民前衆院議員は「維新は大阪限定の勢力から、全国に候補者を出す敵対勢力になった。潰しにかかるのは当然だ」と述べた。ただ、自民の党是である憲法改正では維新の協力が欠かせない側面もあり、微妙なさじ加減が求められそうだ。

立民も維新への警戒を強めている。高槻市内で開かれた会合で、泉氏は「民主主義のとりでという気持ちで一緒に戦っていただきたい」と強調。参院選に挑む辻元清美元衆院議員も「高槻を大阪維新から防衛する」と述べた。菅直人元首相も大阪の「特命担当」を名乗って活動を展開し、記者会見で「(維新は)自民よりも右翼的だ」と攻撃している。この日は大阪で参院選の公認候補を擁立する国民民主党の玉木雄一郎代表も支持を訴えた。

一方、迎え撃つ維新は余裕の構えだ。11日の記者会見で藤田文武幹事長はこう語った。「維新のような弱小政党をやゆしてくれるのは大変光栄だ」(石崎直人)

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