G7財務相会合 ロシア産原油への制裁関税は見送り 実効性薄く

G7財務相・中央銀行総裁会議にはウクライナのシュミハリ首相もオンラインで参加した =19日、ドイツ西部ボン近郊(ロイター)
G7財務相・中央銀行総裁会議にはウクライナのシュミハリ首相もオンラインで参加した =19日、ドイツ西部ボン近郊(ロイター)

20日閉幕した先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、イエレン米財務長官がロシア産石油に関税を課す案を欧州などと検討していることを明らかにしていたが、共同声明には盛り込まれなかった。関税は輸入国側が負担するため、ロシアの貿易収入に打撃を与えるという制裁の狙い自体を疑問視する声も上がっており、議論も行われなかったという。

ロシア産石油への関税に関しては、もしかける方針が確認されたとしても、日本の原油輸入に占めるロシア産の割合は小さく、国内影響は限定的だった。ENEOSホールディングスも「4月中に最後の荷受けをしてからは、(ロシア産石油は)買っていない」(斉藤猛社長)という。

経済産業省の資源・エネルギー統計年報によると、原油の輸入に占めるロシア産の割合は3・6%(2020年度)にとどまる。しかもロシアのウクライナ侵攻後、石油元売り各社はロシア産石油の取り扱いを中止する方針を打ち出した。

「既にロシア産の調達を取りやめる動きが企業で広まっており、扱いはかなり減っているのではないか」(経産省幹部)とみられ、制裁関税をかける対象が、ほとんどないのが現状だ。

資源が乏しい日本は、もともと原油や液化天然ガス(LNG)に関税をかけていない。ロシアに対する貿易上の優遇措置「最恵国待遇」を4月に撤回した際も原油は関税引き上げの影響を受けていない。

日本は既にG7と足並みを合わせ、ロシア産原油の原則禁輸を打ち出している。そのため、日本の輸入業者が支払う関税を引き上げることで貿易量が縮小するという局面には既になく、制裁の実効性は乏しい。萩生田光一経産相も20日の記者会見で「ロシアへの制裁としてはあまり意味がないと思う」と疑問を呈していた。

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