国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は20日の総会後にオンラインで記者会見し、札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪の開催地を年内に一本化する方向性を明らかにした。事実上の内定となる最優先候補地の選定を「12月の理事会で決めなければいけないと思う」と述べた。
スイスのローザンヌでの総会では、来年5~6月の次回総会(ムンバイ=インド)で開催地を正式決定する見通しが示された。理事会は各都市の計画を評価する将来開催地委員会から最優先候補地の推薦を受けて協議し、総会に承認を諮る。
1972年大会以来、2度目の開催を目指す札幌市は東京五輪のマラソン・競歩を実施。IOCに運営能力を評価され、有力視されている。2030年大会には札幌のほか、五輪開催実績のあるバンクーバー(カナダ)とソルトレークシティー(米国)、初開催を狙うカタルーニャ・アラゴン(スペイン)も興味を示している。デュビ五輪統括部長は「(候補地から)力強い提案を受けており、喜ばしい状況」と話した。
IOCは五輪改革として19年に選定の仕組みを刷新し、開催地の決定は原則7年前としていた規定を撤廃。候補地と個別に対話しながら、有力都市を早めに確保する戦略に変えた。新方式で32年夏季五輪の開催地に決まったブリスベン(オーストラリア)は21年2月の理事会で最優先候補地に選ばれ、同年7月の総会で承認された。(共同)