ソウルからヨボセヨ

北の異様なコロナ対策

動物園内を消毒する作業員=18日、平壌(共同)
動物園内を消毒する作業員=18日、平壌(共同)

コロナウイルスのような病原体(Virus)のことを以前の日本ではドイツ語風に「ビールス」といったが、今はラテン語系の「ウイルス」になっている。韓国も昔は「ビールス」だったが、現在は英語の「バイラス」を使っている。

ここにきて感染者急増の北朝鮮はどうか。北の報道によると「ビールス」になっている。予防薬も「ベクシン」という韓国と違って日本風に「ワクチン」といっている。情報鎖国の北では過去の日本の影響が結構残っているのだ。韓国では消えてしまった「ベントウ(弁当)」が北では今も使われているが、最近見た北のテレビは「クァッパプ(箱ご飯?)」といっていた。北ではこれが「文化語(標準語)」だとか。

ところで北ではコロナ感染者のことを「発熱者」といい、対策としてしきりに民間療法を呼び掛けている。たとえば解熱効果があるとされる柳の葉や野草のスイカズラを煎じて飲めとか、せき止めには蜂蜜をといい、息苦しければ窓を開けろという指示もある。

世界最大規模の軍事パレードを華々しくやり、核開発やミサイル発射に熱を上げながら、国民には薬がないから草や木の葉を煎じて飲めというのだ。切なさを通り越し世界史上の異様な体制というしかない。外からの〝コロナ支援〟ですむ話ではない。(黒田勝弘)

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