北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、同じ斜里町のウトロ港を拠点とする大型観光船「おーろら」が20日、運航を始めた。行方が分からないカズワンの乗客乗員12人の捜索に影響が出ないよう、沈没現場付近を通らないコースに限定。安全対策を徹底し、その広報も意識して力を入れた。
20日午前10時半、薄曇りの空の下、観光客約20人を乗せたおーろらはウトロ港を出発した。風は冷たいが、波は穏やか。観光客らは山頂に雪が残る知床連山などをカメラで撮影。船内に「ヒグマがいる」とのアナウンスが流れると歓声が上がった。正午過ぎに帰港し、東京都から訪れた70代の男性は「運航が始まって良かった。知床半島はきれいだった」と話した。
カズワンと同様の小型観光船を運航する会社は6月10日までの自粛を決めている。