消費者物価、年度内は2%台高止まりか 専門家「皮膚感覚では1、2割の物価高」

パンや食用油など身近な商品に値上げが広がっている=東京都墨田区のスーパーイズミ業平店(川口良介撮影)【撮影日:2021年11月08日】
パンや食用油など身近な商品に値上げが広がっている=東京都墨田区のスーパーイズミ業平店(川口良介撮影)【撮影日:2021年11月08日】

20日発表された4月の全国消費者物価指数の上昇率(生鮮食品を除く)は約7年ぶりに2%の大台を超え、家計を苦しめている物価上昇が統計でも裏付けられた。ただ、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格の高騰が身近な商品の価格に転嫁されるのは、むしろこれから。物価上昇率は年後半に2%台半ばまで上振れし、年内いっぱい高止まりするとの見方が強い。

4月の物価上昇が3月(0・8%)に比べ大幅な伸びとなったのは、菅義偉(すがよしひで)前政権が昨年力を入れた携帯電話通信料の値下げによる押し下げ効果が一巡したため。ウクライナ危機に伴う原材料高は既に幅広い商品に転嫁されており、統計が現実に追い付いた形だ。

とはいえ、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は「家計の皮膚感覚でいえば既に1、2割か、それ以上の物価高になっている」と指摘する。4月は日頃から値動きが激しい生鮮食品のみならず、食用油(36・5%)やマヨネーズ(24・3%)といった加工食品も伸び率が拡大。日常生活の負担増は2%では済まない。

こうした中、ガソリンなどエネルギー価格の上昇は政府の価格抑制策も奏功して19・1%と3月(20・8%)より鈍化し、侵攻直後に比べ落ち着いてきた。ただ、原油高は輸送費や燃料費の増加などさまざまな経路で企業を圧迫し、これからも幅広い商品の波状的な値上げにつながる見込み。

一方、日本の物価上昇は歴史的水準が続く米国(8・3%)や欧州ユーロ圏19カ国(7・5%)に比べれば抑制的だ。新型コロナウイルス禍の景気低迷が海外より長引き、労働者の賃金が上がらないことが背景にある。このため、国際的な原材料高が落ち着けば、再び物価が下落するデフレに戻ると懸念する声もある。

(田辺裕晶)

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