水管橋崩落 有識者が調査結果 鳥の糞害、塩害…「複数の要因」指摘 振動で「腐食進んだ」

部分復旧し、送水を再開した水管橋=19日、和歌山市(藤崎真生撮影)
部分復旧し、送水を再開した水管橋=19日、和歌山市(藤崎真生撮影)

和歌山市の紀の川に架かる「六十谷(むそた)水管橋」が崩落し、大規模断水が発生した問題で、有識者らでつくる市の調査委員会は20日、崩落要因などの調査結果をまとめた。崩落の原因として、鳥の糞害や塩害、塗装更新の遅れなど「複数の要因」を指摘。補強のため事後に取り付けた斜材などの部材が風などで振動を起こすなどして「腐食が進んだ」と結論づけた。

この日、市内で調査委の会合が開かれ、調査結果を確認した。

橋は昭和50年の建設で、上部の7つのアーチから「つり材」で下部の水道管2本をつり下げる構造。

調査結果によると、崩落したアーチでは、つり材18本中9本が腐食し、破断していた。橋のある場所は紀の川河口から約7キロと海に近く、日常的に海鳥が飛んできて止まったり潮風を浴びたりしていたことを踏まえ、崩落の要因として鳥の糞や潮風などによる腐食を指摘。また平成5年を最後にさび止めの全塗装をしていなかったなど「複数の要因」を挙げた。橋を現地調査した結果、大量の鳥の糞に覆われていたことも確認した。

さらに橋では、補強のため昭和55年までに鋼材の「斜材」や「水平材」を事後的に取り付け、後に一部交換もしていたが、接続部が長年、風雨にさらされて振動などを繰り返した影響などで「腐食が進んだ」と結論づけた。

会合では、これまでの市の点検方法について、水道管部分に漏水がないか確認する目視などに限られていた問題点も改めて委員から指摘された。

委員の江種(えぐさ)伸之・和歌山大学システム工学部教授は「構造物はいずれ壊れるという視点が重要。水道管の漏水だけに注視しすぎて目が行き届いていなかった。(つり材なども含めた)俯瞰(ふかん)的な管理が必要」と提言した。

調査委は今回の調査結果を踏まえ、今後、最終報告を取りまとめる。

市側は今後、点検に小型無人機「ドローン」を活用するなどの改善策を報告した。市の水道事業を統括する瀬崎典男・公営企業管理者は「強度を補強し、腐食の進みにくい、接続部のないつり材などに更新することで崩落事故を防ぎ、安全な水管橋の管理に努めたい」と話した。

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