青森県は20日、太平洋側の大規模地震で最大クラスの津波や揺れが発生した場合の被害想定を公表した。約5万3千人が死亡し、約11万1千棟の建物が全壊。経済被害は約6兆3千億円に上る。死者のほとんどが津波によるもので、早期避難を徹底すれば約7割減らせるとした。
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震と、県が独自に設定した太平洋沖の地震のうち、市町村ごとに被害が最大となる予測を積み上げた。死者数が最も多くなるのは、浸水域内の人口が多く、かつ積雪で避難に時間がかかる冬の午後6時に津波が押し寄せるケース。早期に避難を始める人は2割にとどまると設定した。
青森市では死者約2万1千人、全壊建物約2万3千棟。八戸市でも死者約1万9千人、全壊建物約5万1千棟の被害が出る。県全体の避難者数は震災翌日に最大約31万1千人に達する。