愛知県豊田市の矢作川にある取水施設「明治用水頭首工」の大規模漏水で、県は20日までに、提供が止まっている農業用水を確保するため別の河川からの取水を認めた。国や地元の土地改良区と実施時期や方法を調整する。
東海農政局によると、頭首工から用水路を経て水を引いている農地は約4700ヘクタール。農政局は20日、頭首工付近に設置したポンプを56台に増設したと明らかにした。現在は工業用水の確保を優先させているが、今後ポンプを110台程度まで増やして「農業用も含めて最低限必要な水を5月中に確保したい」としている。
県は、管理する猿渡川と家下川で、用水路との交差地点付近にポンプを設置して水をくみ上げることを想定している。ただ、これだけでは必要な水量に届かず、さらに対策を検討する。
県は20日朝までに、事業者に要請していた工業用水の利用自粛を全てのエリアで緩和した。通常の3割程度の利用を依頼している。
愛知・豊田の大規模漏水