今年最大の政治決戦となる参院選は6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力視されている。その通りなら残すところ1カ月余り。ロシアによるウクライナ侵攻と新型コロナウイルス禍という内憂外患ゆえか政界の時局は凪(な)いでいる。
岸田文雄首相(自民党総裁)にとっては初の参院通常選挙となる。大きなスキャンダルに見舞われることなく、特段の実績を挙げた印象は薄くても内閣支持率は堅調。参院選も無風で迎えるとの観測も広がるが、先の衆院選に続いて勝利を収めれば、衆院解散をしない限りは大型の国政選挙がない「黄金の3年間」を視界に入れる。言い換えれば長期政権への足がかりを得ることになる。
とはいえ、首相の党内基盤が万全なわけではない。自ら率いる岸田派(宏池会)は党内第4派閥に過ぎず、上位3派閥の領袖(りょうしゅう)である安倍晋三元首相、茂木敏充幹事長、麻生太郎副総裁にそっぽを向かれないため気配りは欠かせない。